法律情報コラム(個人)
面会交流とは、親権者又は監護権者として子どもと一緒に暮らすことができない親が子どもと面会したり、手紙や電話によって間接的に交流することをいいます。
面会交流に関する取決めは、親権に関する取り決めと違って離婚の条件ではありませんが、平成23年の民法改正により、父母が協議離婚をするときは、養育費に関する事項とともに父母間で協議して定めることとされ、協議離婚届出書にもこれらの取り決めをしているかどうかのチェック欄が設けられました。
非同居親と子どもの面会交流は、原則として子の人格形成にとって重要であると考えられており、家庭裁判所も、子の福祉を害する特段の事情がない限り面会交流の実施を促す傾向にあります。
子どもとの面会交流が親としての当然の権利であると考えもありますが、家裁実務では、協議・調停又は審判がされて初めて具体的な権利が形成されると解されていることから、面会交流の実施の可否やその内容については、親の権利という視点からではなく、あくまで子の福祉の観点から判断されます。
他方で、感情的な対立もあり、同居親が面会交流を否定するケースも見受けられますが、この場合も、面会交流の実施の可否やその内容については、子の福祉の観点から判断されます。
なお、面会交流について取決めをする場合は、子の意思も尊重される必要があります。この点、平成25年の家事事件手続法により、家庭裁判所で面会交流等について定める場合に、子ども自身が手続きに参加し、弁護士が代理人になるという子どもの手続代理人制度が設けられました。詳しくは弁護士にお尋ねください。
協議・調停又は審判で定められた面会交流が実施されない場合は、裁判所に履行勧告を申し出る他、相当程度具体的な取決めがされている場合には間接強制が可能な場合もあります。