法律情報コラム(個人)
少額管財は、弁護士が、破産申立代理人として申し立てをした場合に認められる運用と説明しました。少額管財では、破産申立書の書式には、申立代理人を記載する欄が設けられています。
少額管財の破産申立てにおいて、具体的にどのような書類を準備し、弁護士と破産者でどのような事実を調査し、申立書及びその必要書類を作成するのか、ということを以下説明します。
その1回目として、資産に関する調査を扱います。
破産とは、破産者の収入などが悪化し、負債の返済ができないいわゆる「債務超過」と呼ばれるような事態に至った場合に利用されるイメージがあると思います。すなわち、破産者の資産を全部処分することで現時点の負債が全て完済できれば、そもそも破産する必要がないわけです。
破産とは、一般に、破産者の資産を処分しても負債の完済ができない状態ですので、破産が開始した後、破産管財人は、破産開始決定時における破産者の資産を破産財団として、破産財団に属する資産を換価します(お金に変える。)、そして、換価したお金を債権者に配分する「配当」を行います。
破産財団に属する資産の有無は、債権者に対する配当の可否に関わるので、管財人の職務としては、資産調査が重要となります。
少額管財事件における管財人の負担軽減のため、この資産調査も例外でなく、申立代理人である弁護士は、破産者と共同して破産者の資産を調査し、その調査結果を破産申立段階で裁判所に報告することが求められます。
この裁判所に報告することが求められる資産としてどのような資産があるのかについては次回お話をします。